食物アレルギーとは
「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」をいう。
- 食べたり、触れたり、吸い込んだりした食物に対して、体が過敏に反応して起こる症状。
- 食物不耐症(乳糖不耐症、ヒスタミン中毒など)は免疫学的機序を介さないため食物アレルギーには含まない。
食物アレルギーの機序(IgE依存性の場合)
食物アレルゲンについて
- アレルゲンはアレルギーを引き起こす物質のことで、食物アレルゲンの大部分は食物に含まれるタンパク質である。
- タンパク質はアミノ酸が鎖状につながり、らせん状やシート状に折り畳まれた構造(形)をしている。特異的IgE抗体はこの構造の決まった場所に結合する。
- タンパク質は加熱や酸・酵素により形が変化したり(変性)、消化酵素の働きでアミノ酸のつながりが切断される(消化)。特異的IgE抗体が結合する場所の形が変化すると、IgE抗体が結合しにくくなり、アレルギー症状が出にくくなる。これを低アレルゲン化という。
用語
IgE抗体 | 血中にある免疫グロブリンの一種 |
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特異的IgE抗体 | 特定のアレルゲンに結合するIgE抗体 |
感作 | 特異的IgE抗体が作られ、マスト細胞などに結合して、再びアレルゲンが入ってきたときにアレルギー反応が生じ得る状態になること |