保育所・幼稚園・学校における対応
食物アレルギー対応の原則
- 食物アレルギーがあっても原則的には給食を提供する。
- 安全性を最優先に対応する。
- 食物アレルギー対応委員会などで組織的に対応する。
- ガイドライン*に基づき、医師の診断による書類を提出する。
保育所では生活管理指導表などの提出を原則とし、学校などでは学校生活管理指導表の提出を必須とする - 完全除去対応を原則とし、過度に複雑な対応は行わない。
生活管理指導表の「診断根拠、除去根拠」の捉え方
① 明らかな症状の既往
診断根拠として信頼性が高い。しかし1年以上前の既往の場合は、既に耐性が進んでいる可能性がある。
② 食物負荷試験陽性
医師が直接症状を確認しているので、最も信頼性が高い。しかし1年以上前の負荷試験結果の場合は、既に耐性が進んでいる可能性がある。
③ IgE抗体等検査結果陽性
食物アレルギーの可能性を示唆するが、確定診断の根拠にはならない。このため、多くの食物に③だけが根拠として書かれている場合は、除去する食物を整理できる可能性がある。
④ 未摂取(保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表のみ)
食べた経験がないので、実際にアレルギー症状が誘発されるかはわからないことを示す。
誤食事故を予防するためにできること
完全除去を基本とする
- 家庭で必要最小限の除去をおこなうことは患者のために重要であるが、集団給食で“食べられる範囲”に合わせて個別対応することは推奨されない。
- 個別対応を行うことで、調理、配膳が非常に煩雑となり、結果的に誤食事故の危険性を高める。このため集団給食では、完全除去を基本とした除去食・代替食対応をおこなうことが望ましい。
- ただし、調理場の施設・設備や、スタッフの技術・知識などのスキルが十分にあれば、個別対応できると良い。
ガイドライン
学校・幼稚園
学校のアレルギー疾患に対する取組ガイドライン 2008年(財)
日本学校保健会 学校給食における食物アレルギー対応指針 2015年 文部科学省
保育所
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン 2011年 厚生労働省
文部科学省参考サイト
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1291672.htm
厚生労働省参考サイト
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf