食物経口負荷試験の結果に基づいた食事指導

結果が陽性の場合(症状が出た場合)

  • 負荷試験を実施する前の食生活が継続される。ただし、負荷試験で出現した症状の重症度と症状を誘発した摂取量を加味して、“食べられる範囲”の部分的な除去解除を指導することもある。または、6ヶ月~1年程度あけて、再度同じ量の負荷試験を考慮する。
  • 少量の負荷試験で症状が出た場合には、たとえ出現症状が軽症であっても摂取の許可は慎重に判断する。

結果が陰性の場合(症状が出なかった場合)

  • 総負荷量を超えない範囲で自宅で繰り返し摂取し、症状が誘発されないことを確認する。
  • 少量や中等量の負荷試験が陰性の場合、自宅で症状が誘発されないことを確認した後、それより多い摂取量の負荷試験(少量なら中等量、中等量なら日常摂取量)を行う。
  • 総負荷量を超えて自宅などで少しずつ摂取量を増やすことは危険であるため、基本的に、食べたことがない量の摂取は医療機関で負荷試験を実施して確認する。

除去解除の指示

  • 定期的に負荷試験を実施することで、段階的に“食べられる範囲”が広がる。最終的に日常摂取量を食べられることが確認できれば除去解除とする。
  • はじめは自宅のみで除去解除とするが、体調不良や食後の運動、入浴などで症状が誘発されないことを確認できれば自宅以外でも除去解除とする。

コラム 経口免疫療法

  • 自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対する研究的な治療である。
  • 食物アレルギーの一般診療として推奨されていない。
  • 経口免疫療法は一部の患者には治療効果があるが、経過中には症状誘発は必発で、予期せずアナフィラキシーを起こすことがある。
  • 原因食物をしばらく摂取しないでいると、再び摂取した時に症状がでることがある。
  • 負荷試験で確認した“食べられる範囲”を超えない量を摂取する場合は、経口免疫療法とは言わない。