野菜、果物アレルギー

食品の特徴と除去の考え方

  • 花粉症をもつ患者の一部が、生の果物や野菜を摂取した時に、口の中やのどの痒みなどを感じることがある。これを花粉-果物アレルギー症候群(PFAS)という。
  • PFASの原因となる野菜や果物の多くは、特定の花粉と交差抗原性*がある。主なものに、シラカバ花粉とバラ科果物(リンゴ、モモ、スモモ、サクランボ、西洋ナシなど)、ブタクサ花粉とウリ科果物・野菜(メロン、スイカ、キュウリなど)がある。
  • PFASの多くは、加熱調理した野菜や果物は摂取可能である。違和感を感じたら摂取を中止することで症状がおさまるので、厳密な除去は必要ないことが多い。
  • 一方、微量でアナフィラキシーを呈する別の病型もあり、注意が必要である。原因となる食物は、キウイ、バナナ、モモ、リンゴなどが多い。

    用語 交差反応 参照

栄養食事指導のポイント

  • 食べられる野菜や果物、イモなどで代替することで、微量栄養素や食物繊維などの栄養素が摂取できる。
  • PFASの給食対応では、生の果物や野菜のみ提供を中止し、ジャム、ケチャップ、ソースなどの加工品や調味料、加熱調理したものの除去は不必要なことが多い。保護者・本人の食生活状況を十分聞き取ったうえで、安全確保ができる範囲を提示する。